下の記事にあった、
「どんと祭の日に起こったとある小さな珍事件」
とは、どんな事件なのか?

気になる方のために(たぶん、誰も気にしてないと思うが.....)お話いたしやしょう。



私が小学2年生の時の1月14日。
その日は朝から雪が降ったりやんだりを繰り返し、外は一面一様に白く、寒く。

でも今日はどんと祭。
そんな寒い中でも、その夜に行われるどんと祭、加えて裸参りの準備のために町はどこかしら忙しなく、でもどこかウキウキとした空気に包まれていたように思う。

いつもどんと祭の日は、14日間飾っていたお正月飾りを神社へ奉納するため、母親と兄、またその日が休日ならば父親も一緒に4人で神社へ行っていた。
一緒に暮らしているおじいちゃんとおばあちゃんは、たいてい留守番。

だが、しかーし!
その日、なぜか突然おじいちゃんが私に向かって
「一緒にどんと祭さ行ぐが?」
と、言ってきたのだ。

「うん!(^▽^)」
と、私はなんの躊躇もなく二つ返事で答え、その日、おじいちゃんと二人雪降る中、出掛けることとなったのである。

シャラーン! シャラーン!
と、裸参りの人たちが鳴らす鐘の音を聞きながら、おじいちゃんと二人、とっぷりと暮れた道を神社へ向かって歩いて行く。
だんだん主要道路に近づくにつれ、賑やかな掛け声といい香りを漂わせた屋台があちらこちらに見えてきた。
道行く人も多く、ごったがえしている。

と、とある酒屋の前。
店の外に酒樽を高く積み上げ、酒屋の店員さんたちが道行く人たちにコップ一杯の日本酒をサービスしていた。

その前を二人で通りかかった時、一人の店員さんがおじいちゃんにお酒を奨めてきたのである。
おじいちゃんの方も、遠目で見ていた時からその酒樽に目を奪われていたらしい。

にこやかに奨める店員さん。
とーっても嬉しそうなおじいちゃん。

ここで7歳のわたしは、心の中で思った。
「あぁ! まずいっ!(・・;)」・・・・・と。

ウチのおじいちゃんてさ、もんのすごい大酒呑みでね。
私が覚えている限り365日、つまりほぼ毎日呑んでたのよ。日本酒が大好きでさ~。

で、シラフの時はとても無口な人で、背筋をピシッ!と伸ばしてさ、矍鑠(かくしゃく)としていたおじいちゃんなんだけど、酔っぱらうともうヘロヘロになっちゃってブツブツと見えない誰かに向かって喋り出したりするのよ(^^;)
つまりはひとりごとなんだけどね。

で、そこにちょっかい出してみると、
「なんだ? コノヤロ。 バキャァロ。」と、なんとも迫力のない口調でニヤニヤ笑いながら言うし。
兄貴や私に酒臭い息を吐きながらホッペにチュウしようとしてくるし。
挙句の果てには、トイレで用を足しても便器の周りにビシャビシャこぼすで。
時には、トイレまでガマンができなかったのか、トイレに行く途中の廊下から、庭先に向かって立ち○ョンしたりするし・・・。

まぁ要するにシラフの時とはまるで別人でさ、手がつけられなくなるのよ。


そんなおじいちゃんを毎日見ている私は、お酒を奨められて喜んで呑んでいるおじいちゃんを見て、
「まずい!」
って、思ったわけさ。

で、一気に呑みほしたおじいちゃんは少ーしほろよい気分になり、そのまま神社へ向かい、お飾りを奉納し。
で、帰り道。

また別の酒屋の前を通った時、またまた店員さんからお酒を奨められ、それを呑もうとしていた。

さすがに私も身の危険を感じ、
「おじいちゃん、お酒はウチでも呑めるんだから、早く帰ろうよぉ」
とせかしたのだが、「ちょっと、これだけだがら・・・」とかなんとか言って、結局それも呑みほしてしまった。

外はすっかり暗くなり、雪も相変わらずとめどなく降り続いている。
酔っ払って、足取りがちょっとおぼつかなくなってきたおじいちゃんを心配そうに見ながら、家路を辿っていた。

と、途中でおじいちゃんが、
「ちょっと、小便してくる」
と、言って、突然道の端っこへ行き、立ち○ョンしようとし始めた。

「ちょ、ちょっと、おじいちゃん! こんなとこでダメだってばっ!(汗)」
という、私の言うことも聞こえず、堂々と事を起こし始めるおじいちゃん。

どんと祭へ向かう人の数はますます増え、おじいちゃんのすぐそばを、たくさんの人が通り過ぎる。
当然、おじいちゃんの行為に気付き、振り返る人たち多数。

私ね、その時ものすごく恥ずかしかったけど、でもそんなおじいちゃんを人目に触れさせないようにしなきゃ!
とでも思ったのか、必死でおじいちゃんとこを隠そうとしてたのよ。
隠せるワケないのに(笑)
これが今だったら事が終わるまで遠く離れていて、他人のフリするんだけどね(笑)
ま、子供だった私は、まだそこまで頭が回らず。

そのうち、誰かが通報したのかどうか・・・・おまわりさんが数人やってきてさ、おじいちゃんとこを両側から押さえ込んで
「おじいちゃん、ダメですよ!」
と言いながら連行していったのさ。
もちろん、私も一緒に保護されてさ。

私?
すごく心細かったけど、でもおまわりさんが来てくれて正直ホッとしてたよ(^^:)
だって私一人じゃどうしようもなかったしさ。

それにしても、その時おじいちゃんが言ったセリフが可笑しかった。
「なんだ? オレ何も悪いことしてねぇぞ!!」


・・・・・・・いえ、充分イケナイことしてますって・・・・・。

んで、警察のテントが張られた中に連れていかれて。
中はあったかい石油ストーブがあって、婦警さんが一人。
その婦警さんが私とおじいちゃんの面倒を見てくれた。

最初、確かおじいちゃんに住所とか名前とかを聞いていたと思うんだけど、あの通りラチが明かないので・・・。
今度は私に住所、名前、電話番号などを聞き、家に連絡してくれた。
優しい婦警さんでさ、私にいろいろ話しかけてくれてさ、お陰でものすごく心細かったけど、その婦警さんのおかげでちょっとだけ安心したことを覚えてる。
私も安心したのが手伝ってか、「おじいちゃんは毎晩お酒を呑んでて、家でもトイレの周りをビシャビシャにして・・・」とかなんとか、余計なことまでベラベラ喋ってたような気がする。
んで、そん時、屋台で買った綿アメを持ってたんだけど。
綿アメってさ、食べないで放っておくと小さくなっちゃうじゃん?
その綿アメも買ってからだいぶ時間が経っていたので小さくなっててさ、私がそれ見て思わず

「あ~ぁ、こんなんなっちゃった.......」
って、ツブやいたら、それを聞いてた婦警さんが

「ほら、おじいちゃん! おじいちゃんのせいで綿アメこんなになっちゃったんだよ!」
と、袋をつまんでおじいちゃんに見せてたけど、当の本人は起きてんだか、寝てんだか分かんない顔で

「んんー?」と、言ったっきり。
ダメダこりゃ.......。

そのうち父と母が迎えに来て、ようやく家に帰れることになった。

おじいちゃんは父に肩を貸してもらいながら、雪道を滑りそうに歩きながら。
その後ろ姿を、私は母に手をつないでもらいながら見ていた。
やっと、これで家に帰れる・・・・。
という安堵と一緒に。



このことは、しばらく親戚中で話題になった。
みんな、おじいちゃんが大酒呑みということは知っているので
「やっちゃったのねー(苦笑)」ぐらいにしか思わなかったらしいけど。
でもまさか警察まで出てくるとは誰も予想してなかっただろうねぇ。


それ以来、私はおじいちゃんと二人でどんと祭へ行くことはなかった。
その次の年もおじいちゃんは「一緒に行こう」と誘ってくれたんだけど、私が断固として断ったから。

だぁってさ、もぉ~あんな思いはコリゴリだよぉwwwwww



どんと祭が近づく度、いまだにこのことを思い出してね。
今じゃ笑い話よ。

思い出す度、可笑しくて一人で笑ってまさぁね(^^ゞ
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2011.01.10 Top↑
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