20代前半ぐらいの時かなぁ? この人の存在を知ったのが。
図書館の中、何気なく手にとって読んでみた。
『骨のうたう』 『筑波日記』の2冊。
なんともトボけた顔をしたどこかの兄ちゃんの写真が載っていて、中には彼が描いたたくさんの詩と絵(マンガ)と小説が掲載されてあった。
その写真の顔は、若かりし頃の木村充揮さんみたいで、その飄々とした人柄は、なんだかキヨシローを彷彿とさせた。

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「骨のうたう」

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるやあわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや その心や

白い箱にて 故国をながめる
音もなく なんにもなく
帰っては きましたけれど
故国の人のよそよそしさや
自分の事務や女のみだしなみが大切で
骨は骨 骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらい
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨はききたかった
絶大な愛のひびきをききたかった
がらがらどんどんと事務と常識が流れ
故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった

ああ 戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
こらえきれないさびしさや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や
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人は竹内浩三を詩人と言うけれど、私はそんな高尚に崇めるような人ではないんじゃないかと思う。
言ってみれば、どこにでもいるそこら辺のあんちゃんだ。
マンガや文章を書いたりするのが好きで、何か奇抜なことを言っては人を笑わせたりするのが好きで、なんとも飄々とした体裁の、ごく普通の青年だと思う。


「ぼくもいくさに征くのだけれど」

街はいくさがたりであふれ
どこへいっても征くはなし かったはなし

三ケ月もたてばぼくも征くのだけれど
だけど こうしてぼんやりしている

ぼくがいくさに征ったなら
一体ぼくはなにするだろう てがらたてるかな

だれもかれもおとこならみんな征く
ぼくも征くのだけれど 征くのだけれど

なんにもできず
蝶をとったり 子供とあそんだり
うっかりしていて戦死するかしら

そんなまぬけなぼくなので
どうか人なみにいくさができますよう
成田山に願かけた

1945年(昭和20年) フィリピン バギオ島で戦死  享年23歳


もし今生きていたら、今年87歳。
どんな人生を歩んでいただろうか?

戦争 いくさ 武器 傲慢 エゴ 人命よりも数字を重視 理不尽 狂 etc..........
ヨルムンガンド.jpg

あぁ・・・・・もったいない、もったいない。
命がもったいない

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2008.08.15 Top↑
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